作曲者"April"本人による、超マニアックな曲解説コーナー!
第2弾は、チャレンジする人に向けて歌った曲「Brand new story」です!
曲作り、曲の構成、作詞の3つの観点から、徹底解説してもらいました。
この曲がどんな想いから生み出されたのか、隠されたストーリーに触れてみてください!
こんな方におすすめ
- Aprilの曲が好きな方
→気に入った曲ができた背景を知ることができる - 弾いてみた、歌ってみたをしている方
→曲の構成や演奏のポイントが分かる - 作曲をしている方
→曲作りのアプローチ方法が分かる
では、まいります!
Contents
【徹底解説①】「Brand new story」の曲作りについて
最初はベースから作る
作曲するときの一番最初のアプローチとして、気に入ったフレーズやコード進行をベースで作ることから始めます。
ベースが決まれば、コード進行とリズム、キーが決まります。これで曲の雰囲気は決まってきます。
その後、フレーズのついては、基本的には曲の構成順で作っていきます。
「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ」
といった感じです。
「Brand new story」の場合、イントロの「D A Bm G」というコード進行や、そのコード進行から連想された雰囲気から出来上がっていきました。
影響されたアーティストは「Avril Lavigne」
曲がワンコーラスほど出来上がるまで気づかなかったのですが、このコード進行は、Avril Lavigneの「Girlfriend」という曲と同じコード進行でした。
影響されまくりですね。
興味ある方は、ぜひ聴き比べをしてみてください。コード進行は同じでも、全く違う曲に仕上がっていると思います。
曲調について
明るい曲調に仕上がったきっかけは、知人の言葉でした。
前作「Anti rain girl」を聴いた知人から、「初音ミクの曲って、ポップで明るいイメージ」と言われ、それをそのまま音にしました。
2曲目ということもあり、この先、ボカロでどう作曲をしていこうかと考えていた時期でした。
「初音ミクのキャラクター性を意識した方が良いんじゃないか」と、自分なりに模索して作った結果が本作です。
曲と歌声のバランスを考えると、電子音やEDMなどの方が初音ミクの歌声には合ってるのではないかと思います。
しかし、あくまで「バンドサウンド」というスタイルが自分がやりたいスタイルなので、そこは残しました。
自分なりに、良い曲に仕上がったと思っています。
しかし、現在はこの頃とは作曲に対する考え方が変わってきているというのが現状です。
あれこれ考えはするけど、やっぱりやりたいことを素直にやろうっていうのが本音です。
たまには明るい曲調のものも作るとは思いますが、今後は少なくなるかもしれません。
【徹底解説②】「Brand new story」の曲構成について
シンプルな構成
曲の構成についていろいろ悩みましたが、至ってシンプルです。
最後のサビで転調するという、ベタベタなオマケ付きの仕上がりです。
サビで転調するのはベタではありますが、日本人が一番しっくりくる構成なのではないかと思います。
ただ、最近の曲はフレーズの展開が早い曲が主流なので、この転調は「聴いていてしっくりくるけど、ちょっと古臭い」というのが正しいですかね。
楽器について
使用楽器はギター×2、ベース、ドラム、シンセ、ピアノです。
シンセとピアノなしでも、問題なく演奏可能です。
明るく楽しい曲なので、バンドで演奏するにはもってこいのナンバーです。
難しいとすればギターソロくらいですので、楽器を始めて間もない方にもおすすめです。
こだわりポイント
元々はベーシストですので、毎回ベースラインにはこだわっています。
1曲目の「Anti rain girl」は、8分の刻みがメインの曲でした。
8分の刻みは大好きなので、今後も多くの曲で採用していくと思います。
しかし、8分の刻みが好きなのは、あくまで「リスナーとして曲を聴いたとき」に好きという意味です。
単調なので、弾いていてもあまり面白くはありません。
一方で、「Brand new story」のベースは、弾いていて楽しいことを意識しながらフレーズを作りました。
特に、Bメロからサビにかけては聴いてもらいたいポイントであり、弾いてもらいたいポイントです。
歌詞の中の「楽しまなくちゃ損じゃない?」を、そのままフレーズ作りで体現した感じです。
【徹底解説③】作詞について
曲の方向性について
悩んでいて落ち込んでいる友人と話していたときに、曲の方向性が定まりました。
次は、「メッセージソングだ」と。
最初の仮詩は、ワクワクなストーリー路線の詩がワンコーラス分出来ていました。
「はじめましてようこそ 生まれたばかりの世界よ」
仮詞から残こしたのはこの冒頭のフレーズだけで、あとは全て消して書き直しました。
友人を元気付けてあげたいという気持ちから出来た詩ですが、自分自身に向けて書いたものでもあります。
普段思っていることと、こうありたいという理想を半々に混ぜて出来上がった詩です。
曲に込めた想い
歌詞を一部抜粋して、詩にこめた思いをお伝えします。
真っ直ぐ歩いてもクネクネ道は曲がっていく
さぁ楽しみましょう寄り道もいいものだわ
この歌詞は、今まで生きてきた中で過去を振り返って思ったことを表現しています。
例えば10年前。
当時は、ボカロPをやってるなんて、想像もしていませんでした。
あの頃は、一流のパティシエになるんだって思って、音楽もキッパリ辞めていました。
そこから歩んできた道はクネクネ曲がって、パティシエは辞めてしまいましたが、音楽はまたやってます。
クネクネの間は辛いことも沢山ありましたし、いろいろ大変な時期もありました。
でも、曲がったことによって出会えた人もいますし、観れた景色や嬉しいこともありました。
一直線に夢に向かって達成するだけが人生ではないと思います。
寄り道だと思った所が、自分の居場所になってしまうなんてこともあるはずです。
夢や目標に関係ないものや困難なことでも受け入れて楽しんでやっていければ、未来はきっと良いものになっていくと思うんです。
自分の道とは関係なさそうなことも、最大限楽しめれば最高だという思いと願いを込めた歌詞です。
進まなきゃ変わらない 自分で作る物語
ここは、自分自身に向けた歌詞であり、心掛けていることです。
「石橋を叩いて渡る」ということわざをご存知かと思います。
私は母親に、「あんたは石橋を叩きすぎて壊す性格」と言われて育ちました。
超が付くほど慎重派だし、ネガティブな子どもでした。
あれこれ考えすぎてる間に、更に気持ちもブルーになって、結局何もできない。
すると、結果何も変わらないんです。
考えているうちにタイミングを逃すなんてことも、よくありました。
人生の経験上、悩んでいても進んでしまえば、何であんなに悩んでたんだろうと思うことが多々あります。
友人や知人や誰でも良いです。相談してみるっていうのも前進です。
「とにかく自分からアクションを起こす」
これが大事だと思います。
行動あるのみってことです。
うまくいかなかったら、また考えてやり直せば良いだけです。
少しの勇気ややる気を持てば、未来は変わっていくはずです。
繰り返し繰り返し 同じ日なんてない
楽しまなくちゃ損じゃない
私はそう思うの 違う?
毎日毎日、同じことの繰り返しでつまらないなと思うことはありませんか?
同じような毎日でも、ちょっと視点を変えれば見える景色は変わってきます。
毎日を楽しもうという心意気が大事だと思います。
しかも、毎日がつまらないなら、つまらない日を自分で楽しい日に変えてしまえば良いんです。
「何か楽しいことや変わったことはないかなぁ?」と思っていても、そうそう向こう側から来ることはありません。経験上、間違いありません。
逆に、自分で動いて変えてしまうのが一番確実だし、とにかく楽です。
誰でもやりたいことは一つはあると思います。
人から無理って言われるようなことでも、自分自身が無理と思わなければ無理なことなんて一つもありません。
レッツトライ!の精神です。
それがあったから、今現在、私はボカロPをやってます。
大きな変化でなくとも、毎日は確実に違います。同じ日なんて二度とありません。
毎日をできるだけ楽しむ。
人生いろいろありますが、楽しんだもん勝ち。
それが出来れば最強だと思っています。
私自身、なかなか上手くいかないときもありますが、そうありたいと思いながら生きています。
まとめ
最後に、私の大好きなAvril Lavigneの言葉に、こんなものがあります。
【原文】
Life is like a roller coaster, live it, be happy, enjoy life.
【日本語訳】
人生はジェットコースターみたいなもの。
それを生きて、幸せになって、人生を楽しんで。
大好きな言葉で、私の人生の支えみたいな言葉です。
「Brand new story」も、ほんの一小節だけでも、誰かの支えになれれば幸いです。
学生時代にバンドを組んでいましたが、コピーが主でした。
作曲は、私にとって始めたばかりの世界です。
当然上手くいかないときもあります。他のボカロPさんの曲を聴いて、クオリティーの違いを感じて落ち込むこともあります。
でも、楽しんでやってるのは間違いのない事実です。
「Brand new story」を作ったのは、私自身です。
曲に込めた想いを大切に、曲が嘘にならないように頑張っていきたいと思います。
できるだけ楽しみながら。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
▼前作「Anti rain girl / April Feat.初音ミク」の曲解説はこちら!
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